更新履歴
2010/08/07
作品サンプル追加
Blue作「"みどり"の日々」
marhollo作「恋の行方」
りきお作「女王猫の密かな恋のうた」
Rodmate作「VIEW」
事後
作:日向の虎(微風に辿り着く場所) 絵:双翼(ラセンカイダン)
少しだけ温もりの残ったくしゃくしゃのシーツを、適当に纏めて僕は洗濯物行きのカゴに放り投げる。
真横にあるベッドには、二つ分の枕とそれなりに広い一つの羽毛布団が既に畳まれている。
足元のゴミ箱は僕の素敵なワンダフルライフを収め、外には佳奈多さんジュースがたっぷりとついたゴムが顔を出していて、嫌なわけなんて何一つ無い先程の行為を思い出させた。
今日は割と趣向を凝らし『佳奈多さんの溢れるジュースを少しもシーツに零さない』を目指して巧みに腰を振ってみた。
ちなみに、単にシーツを変えるのが面倒だっただけだ。シた後なんて疲れてるんだから、シャワー浴びたらそのままぐったりが定石だと思うんだ。
そんな思いを抱いて頑張ってみた。けれど、現実はいつだって厳しいものだ。女性経験が佳奈多さん一人だけな僕はいい感じに敗北を喫し、シーツは洗濯行きとなった。
行為中、流石に飛び散るやつまでは気が回らず、ところどころに跳ねて汚れてしまっている。。
こんな状態じゃ、その上で寝るのは無理だ。少しねちょってしているし、寝れたとしても、明日の朝にはパリパリになって僕らの肌をチクチクと攻撃することだろう。
僕はそんな不愉快な気分になるのはごめんだ。そう、これは僕らの未来の為なんだ。きっとそうだ。そう思うことにしよう。
じゃないと、事後にシーツの交換をしてる男なんて情けない姿に涙がこぼれてきそうだから。
ふぁいとっ! 僕!!
「ふー……スッキリしたわ」
僕がシーツを替え終わるのを待っていたかのようなタイミングで、浴室のドアが開きお風呂上がりの佳奈多さんが出てくる。
身に纏っているのは、普段僕の使っているワイシャツだ。
佳奈多さんは寝巻きに僕のワイシャツを好んで使う。
好んで……というよりほとんど毎日だけど。
ある日、部屋に帰った時に佳奈多さんが僕のワイシャツを抱き締めてうたた寝しているのを見て以来、ずっとだ。
皺になってしまって次の日僕が着れなくなってしまうので、一度パジャマを勧めたんだけど、佳奈多さんの『……だめ?』という言葉と捨てられた子犬のような上目遣いに僕は陥落した。
でも、佳奈多さんも一応は気を使ってくれていて、僕が今使っている現役のワイシャツは使わない。少し古めのワイシャツを着るようにしてくれている。
何故かお古の方がいいらしい。多分、パリッパリになったワイシャツだと寝るときの肌触りとか合わないんだろう。
佳奈多さんのワイシャツの下は裸だ。ブラジャーは寝るときに身に着けているとワイヤーが当たって痛かったりするらしい。
あ、ちなみに下はちゃんと穿いている。穿いてないから恥ずかしくないもん! はまだ佳奈多さんには経験値が足りないみたいだ。
一度提案はしたんだけど『恥ずかしいに決まってるじゃない!』と一蹴。ついでに僕の弁慶をトゥキックで思いっきり蹴っていきました。
何故か、その日は夜寝るとき下も穿いてなかったけど「穿かないの?」って突っ込んだら今度は体を思いっきり捻り蹴り上げられた。蹴られた瞬間、昔マンガで読んだトルネードアクセルとかいうシュートを思い出した。
しばらくは内出血で痛かったけど、今となってはいい思い出だ。
佳奈多さんはお風呂で汗を流して喉が渇いたのだろう。冷蔵庫のあるキッチンの方へ歩いていく。
おもむろに冷蔵庫に入っている『おい!?お茶 特濃♪』と書かれたペットボトルを取り出し、そのまま口をつけている。
じゃあ僕も、と一緒して冷蔵庫に入っていたもう一本のお茶を飲む。
ちらりと横を向くと、俗にいうラッパ飲みと呼ばれる飲み方で豪快にグイグイとお茶を飲み干していた。
水を通す度に動く喉に見とれてしまう。ちょーセクシーですよ、佳奈多さん。
あ、それと揺れる髪の合間からチラチラと覗くうなじも凄くいい。チラリズムは男のロマンだねっ。
それでは、ここで二木佳奈多さんの魅力を測定してみよう……。69……72……77……80……バカな! まだ上がるだとぉ……
僕の脳内は大フィーバーだった。